2010年06月09日
化たちだけの愛 3

まだ男の名前は決まらない。
三回だけ食事をして振られてしまった女に連れてこられたBar
に再び訪れている。店の名前は『夜パリ』
ヤッパリと読むらしい。
フランス語の音楽を聴きたいというまでは、なぜか、
アメリカンなハードロックが流れている。
13年前のチラシが大事そうに置いてある。そのチラシの音楽家が遊びに来たらしい。フランス語で歌うバンドである。
シャンソンやタンゴやボサノバの名曲を奏でるそうだ。
前回は見せてくれなかったメニューを渡させれた。
結婚式のアルバムのように分厚く重い。
書いてあるのは最初のページに以下の数行の文字だけ。
あとは真っ白だ。
パラダイムの進化を通して、
人類はより本質的な方向に向かわされている。
「してあげることをさせてもらえる。」
「してもらえることをさせてあげる。」
すべて自価。
男
マスター、このメニューなんですか?
しかも、すべて自価って、時価の間違いじゃないの?
マスター
あなたが飲んだワインの値段はあなたが決めてください。
男
う〜ん、難しいこというな。
マスター
自分で決めれば、悔やむこともないでしょう。
しかし、どんなワインを注ぐかは、
私に決めさせてもらいます。
どうです大層、フェアーなワインBarでしょう?
男
お互いの信頼関係がないと
美味いワインが飲めないということか。
マスター
私は男も女も同じことだと思いますがね。
男
うん?どういうこと。
マスター
女の子にあなたがしてあげたいことはなにか?
させてくれるかどうかは、あなた次第ということです。
私が紹介する子とまずは話し手みてください。
男
…もう一杯、ワインをもらえますか…

マスター
ふふふ、なんですか、その、うぶな女の子みたいな目つきは、思い通りなんかなりませんよ、世の中は。
(外のテラス向かって声をかけるマスター)
美○子ちゃん、紹介した人がいるんだ。
(緊張気味の名前も付けてもらえない男、
メニューに書いてある言葉をつぶやいてみる)
「してあげることをさせてもらえる。」
「してもらえることをさせてあげる。」
つづく。

投稿者 moichi : 2010年06月09日 16:33
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