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2010年06月 アーカイブ


2010年06月18日

マタンゴ・ルンバ

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約束の時間まで23分、約束の場所への抜け道沿い、
とあるCDショップで新譜購入せわしない男
耳痛いよ、デカ過ぎない?このヘッドフォーンの音量、
耳が死ぬって。みんなデカイ音で聞いている?これもかっこ?

女 お支払いは一回で?

男 はい。そういえば、「マタンゴ・ルンバ」どうでした?

女 えっ?すいません、な、なんのことですか?

男 前に来たときに渡したフリーペーパー…、
  ほら、こんな、大きなサイズで、
  表紙が宇宙人みたいで可愛い
  フリーペーパーの「マタンゴ・ルンバ」

女、フリーペーパーですか?
  すいません、なんのことか、分からないです。


男 無言で駆け出す、異化したイカしたCDショップの少し先に、ウインカー鳴らして違法駐車するトランクへまっしぐら、
マッハで早送りでトランクを開け、
マタンゴ・ルンバをむんずと数冊つかみ、
そのおしゃれCDショップへとんぼ返り。

男、よかったら、これどうぞ…

女、あぁ〜、どうもすいません。
  …じゃ、これ、お買い上げ頂いた商品です。

と、ブルーのビニール袋を手渡された。

男、ど、どうも、また、

見つからない言葉もどかしくサイレント 逃げ出す

もつれる思考、もつれる足、車に乗り込む ウインカーの音


この数分間の出来事を抹消するCDはどれだ?

摩耗した指紋の指先がもどかしくすべるすべるビニール

引き剥がし 引裂き 捲り 生CD盤つかみ

カーオーディオのすきまへ滑り込ませる。

ボコッ!バタバタバタバタバタバタ、

不意打ちのタブラの連打!

リネリネリネリネリネリネリネリネリネリネリネリネ、、

ホラキタホラキタホタキタホラキタホラキタホタキタ…

どう聞いても、”ほら、来た、”と聞こえてしまうコーラス

この曲は何だ? NariNari / Cheba Maria

アラブ歌謡はずっといい。パリの時代に戻りたくなった。

ほら、来た、ほら、来た、ほら、来た、ホラ、法螺が、来た。


マタンゴ・ルンバはどこ。


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そこにある7枚のCD.

投稿者 moichi : 13:13 | トラックバック


2010年06月13日

化たちだけの愛 4

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忘れた頃にメイルを送る女の気持ちを嬉しい気持ちが打ち消す辺りが恋愛の沸騰点だろうか、

そんな沸騰点を通り過ぎた辺りにメイルが届いた。


女からのメイル

生きてることは、どうして、ままならないことばかりが起こるのでしょうか?

心があるから苦しむのですね。

私は心が邪魔です。

暫く深い井戸に落ちてしまったようです。

声は届いてますか?


男の返信

心が冷えたときは森に入るといいと聞いたことがあります。

幹の太い気に入った木をみつけて
その巨木に抱きついて我を忘れる時間を作るといいと。

巨木は、人間の何倍も生きているから、
これからもずっと生きていくから
巨木は邪気を清めてくれるとか…

もし、万が一、森が遠ければ、
年輪を重ねた男なら近くにいるかもしれません。


女の返信

優しさに甘えてしまうと
他の世界に堪えられなくなりそうで、
怖いです。

つい、さっきまで、先日のバーで日常を忘れてました。


男の返信

血のように感じなくもない赤黒いワインは
気づかぬうちに巨木根っこを腐らせてしまうかもしれない…
ときに年輪を重ねた男は植物の仮面を纏うこともあるやもしれぬ

たぶん、私も三分ぐらいなら…


女の返信

人間国宝をこわいと感じるように、

私は自分に向き合うことも怖い、

でも、再生できるなら、一度死んでみようかと、

お酒が言わせてます。


男の返信

バタイユは絶頂を、小さな死、とよんだ、

だとすると我々もた繰り返し蘇生していることになる。

君の死に顔をみたい、と頼むことはない。

ただ、日に日に感じるのは、
一瞬以外に幸福な時はないと…


女の返信はなかった。

つづく

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投稿者 moichi : 18:23 | トラックバック


2010年06月09日

化たちだけの愛 3

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まだ男の名前は決まらない。
三回だけ食事をして振られてしまった女に連れてこられたBar
に再び訪れている。店の名前は『夜パリ』
ヤッパリと読むらしい。
フランス語の音楽を聴きたいというまでは、なぜか、
アメリカンなハードロックが流れている。
13年前のチラシが大事そうに置いてある。そのチラシの音楽家が遊びに来たらしい。フランス語で歌うバンドである。
シャンソンやタンゴやボサノバの名曲を奏でるそうだ。
前回は見せてくれなかったメニューを渡させれた。
結婚式のアルバムのように分厚く重い。
書いてあるのは最初のページに以下の数行の文字だけ。
あとは真っ白だ。


パラダイムの進化を通して、
人類はより本質的な方向に向かわされている。

「してあげることをさせてもらえる。」

「してもらえることをさせてあげる。」

  すべて自価。


マスター、このメニューなんですか?

しかも、すべて自価って、時価の間違いじゃないの?


マスター

あなたが飲んだワインの値段はあなたが決めてください。


う〜ん、難しいこというな。


マスター

自分で決めれば、悔やむこともないでしょう。
しかし、どんなワインを注ぐかは、
私に決めさせてもらいます。
どうです大層、フェアーなワインBarでしょう?


お互いの信頼関係がないと
美味いワインが飲めないということか。


マスター

私は男も女も同じことだと思いますがね。


うん?どういうこと。


マスター

女の子にあなたがしてあげたいことはなにか?

させてくれるかどうかは、あなた次第ということです。

私が紹介する子とまずは話し手みてください。


…もう一杯、ワインをもらえますか…

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マスター

ふふふ、なんですか、その、うぶな女の子みたいな目つきは、思い通りなんかなりませんよ、世の中は。

(外のテラス向かって声をかけるマスター)

美○子ちゃん、紹介した人がいるんだ。


(緊張気味の名前も付けてもらえない男、
メニューに書いてある言葉をつぶやいてみる)


「してあげることをさせてもらえる。」

「してもらえることをさせてあげる。」


つづく。

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投稿者 moichi : 16:33 | トラックバック


2010年06月07日

化たちだけの愛2

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「あなたの全てのペイン(pain、痛み)がシャンペイン(Champagne)になりますように」


男  

茂木さんが、Twitterでつぶやいてたんだけどさ、

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茂木健一郎さんが
アメリカのレストランでみつけて、Twitterに投稿したのを読んで、

でさ、それで思い出したんだよ。

シャンペンを一千万円分飲んだと自慢していた人が、

不治の病を煩ってるという話をさ、

ペインが消えるはずが、毎日がペインだって、

人生はコメディーだよね。


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マスター

知らないで連れてこられたんですかここ、

えっ、まぁ、

マスター

よしなさいあの子は、いますぐあきらめた方がいい、

女ならいくらでもいるから、今度、独りでいらっしゃい。

ほら、店の前のテラスにいる子たち、ちゃんと可愛いでしょう。

いつでも紹介してあげるから、

えっ?この店って、

そ、そういえば、彼女、マスターと勝負するとか言ってたよね、あれなに?


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女、 おい、そこの色男、なにをこそこそ話してるおるのじゃ、


マスター

姫、お時間でござる。

今夜はもうおしまいにするから、また、いらっしゃい。


男  もう,こんな時間か、おいくらですか?

女  駄目でお猿、ここは拙者が、


マスター

今夜は私の都合だから、気持ちだけ、置いていって、

…今度は別々にいらっしゃい。


つづく。  


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投稿者 moichi : 16:23 | トラックバック


2010年06月06日

化たちだけの愛 (フィクションです)

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女 飲み過ぎだわ。私と会う時はいつも飲み過ぎるわね。
  気持ち誤摩化してない…

男 哀しいことを言うね、
  嬉しいから飲み過ぎるんじゃないか。

女 ふふ、楽しいわよ、私も、
  いつも美味しいところへ連れて行ってくれるし、
  でも、つき合っているひともいるし、

男 ひとめ惚れだから…

女 信頼と信用は違うって、
  長島監督のセリフ…あなただっけ?
  そう思う、自分を守る為に、

男 たぶん違う、野球には興味がないし、
  
  …彼とは一緒になるの?

女 たぶん、ならない。全く違う性格だから、
  でも、私がずっと好きだったから、
  もう二年もつき合ってるのに、
  最近の方がヤキモチがひどいかも、

男 失いたくないんだろう。
  …他にもいるのかも、ごめん、

女 私は好きになると
  全部自分のものにしたいタイプだから、
  
男 でもひとの気持ちなんて、所有出来ないだろう、

  
女 四人くらいがちょうどいいって誰かが言ってた。
  だから、つき合うなら同時に、

男 えっ?四分の一、か、
  
  …若いときはメイクラブすれば、
  女は自分のものになるって思ってたけど、
  ならないよね、いくらしても、
  男と女はセックスじゃ、どうにもならない。
  いい歳になって分かった。

女 …この赤ワイン美味しい。

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男 もう一杯もらおうか、
  
(バーテンダーに向かって)
  あ、すいません、赤ワインお変わりください。
  
女 ずっと、この赤でいいわ、すごく美味しい。
  最初からこの店にすれば良かったね。

男 (女の耳元に囁く)きみは絶対美味しいと思う。
   (女に睨まれ) …に、にんげん、
   人間として美味しいひとだよね(誤摩化している) 


バーテンダー 

   ここはどうして?

女  (女バーテンダーに答える)
    知り合いに、行って勝負してこいって、

バーテンダー

    よし、今日は勝負だ。
  
男  …社会的な制約を考えると、罪悪感もあるし、
 (心の中で思って言葉には出来ない)
  …自分の年齢を考えれば止めた方がいいのかもしれない
  
  でも、恋はするよ。男は、

女  ちょっと、トイレ行ってくる。

男  う、うん。


つづく。

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投稿者 moichi : 18:16 | トラックバック


2010年06月05日

「パバーヌとグノシェンヌ」(フィクションです)

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「えぇーうっそー。いやぁっーだ。しんじられない。
この人。がっかりだゎ。」

取材を依頼しておきながらいきなり初対面の男の鼻っらでこんなセリフを吐くこの女の精神構造はどうなってるんだ。親の顔も見せて欲しい。
いつの時代もファッションに分類されるものにはこぼした香水のような過剰臭があるが、
バブルが浮かび始めたあの頃のファッション雑誌の世界では
彼女のような灰汁の強さがユニークな才能と勘違いされ一目置かれているのかもしれない。
大きな声を出せば注目された時代だ。

その女の第一声でいきなり及び腰になりながらも目前の女を見直してみると、
おっ、と一見身構えるほどの美人系の顔立ちだが
歯並びの悪さや鼻の曲がり方に心根のゆがみが感じとれる。
しかも粋がって斜に構え日陰で生きる女たち特有のかび臭さまで漂わせているとあっては、
もちろんこの先匂いを嗅ぐのはごめんこうむりたい。

惚れっぽいが男にはいつも遊ばれてしまう性質を小見出しのような言葉遣いと最先端ファッションで防御するコンプレックス過多型我が侭躁鬱ブツブツタイプかもしれない。

で、一転、カメラをパーンさせればここには女の腐った男が映り込んだ。
声を押し殺し脳内愚痴を連続嘔吐する二枚目気取りの気取った奴。
影では、

”つっころばし”とか”へたれ”のレッテルの張られた部類だからこれも始末が悪い。

安っぽいプライドを傷付けられた腹いせに相手を貶める姑息な態度は相手を落とせば落とすだけそんな女に最悪と言われてしまうもうどうにも誤摩化しのきかないジレンマを何処に持って行っても馬糞の川流しだ。っつうの。

だからといって無理矢理気分を変えようと酒や草に頼るのはかえって傷口に塩を壁にシンナーを塗り込むようなもので下手をするとバッドトリップを誘発しとことん立ち直れなくなる。

やっぱりストレスにはセックスだ。

これは、197○年頃の話だ。

シーンは変わって、

四十度近くある熱にウナセラディ東京タワーする股間に女を跨がせ小さな死と引き換えに女の心を手に入れようと懸命に欲望の運動がつづく。

どんなに激しく思いを擦って擦ってもことが終われば

「そんなに絞り出さないでよ」

グノシェンヌ女に、軽くメンチを切られた。

空虚だ。どうしても手に入らない。なにも手に入らない。
嫉妬で灼熱地獄。暴走を冷ますものはアレだけだ。

またしても、197○年頃の話だ。

なんにもないからなのか、パバーヌとグノシェンヌたちは、
いくらでもそれが出来たのだ。
快感はあるのだと思う。男の気持ちも分かるのだと思う。
しかしいくらでもだれとでもかぎりなく気がつくとしてしまう
パバーヌ女とグノシェンヌ女なのだ。
しかもパバーヌ女は塩を吹く。世に言う塩ふき女だ。
ほら水商売の店の前に時々見かける御猪口を逆さまにした塩の山。
女の叉の間から塩が出る。なぜだ?謎だ。
悪霊退散か?千客万来か?

そんな女になぜか男は狂う。破滅する。あきれるほど繰り返す、197○年頃の話だ。

つづく。

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黒い歌謡曲

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