2010年04月18日
トラウマ(comedy)

記憶は自己都合でどんなふうにも書き換えられるそうだ。
が、書き換えたくても、変えられない記憶を、
トラウマ
と呼ぶそうだ。
正しい記憶というものはない。
なんとなくそう思っていたが、やはりそうだったのか。
知的好奇心は快感だ。
で、記憶は自己都合でどんなふうにも書き換えられる。
そうでなければ、ひとは過去に縛られて、辛くて,辛くて、
生きていけない。のかもしれない。
私の座右名のである。今日を生きよう。も、
過去に縛れていたくないという
自己都合な我が侭な心の言い訳のひとつかもしれない。
さて、私のトラウマなんだろう?
それは多分、幼少の頃の環境からくるものだろうか?
両親が側にいなかった。
母親に会ったのは中一の時、夜行列車に乗って
東京にいる母親にお金を届けにいった。
母も借金まみれだったのだ。
残念ながら、映画のような、熱い抱擁はなかった。
雨に濡れた街を歩く、売店に売っていた安っぽいエクレアを買った東京の記憶。何もかもがグレーでモノクロだった。

父親の写真は未だにみたことがない。
で、私は祖母の家で育った。
しかも、いくつかの家をタライ回しにされていた。
施設にもいた。曖昧。
知らない家にも連れて行かれて
知らない人たちと一夜を過ごしたことも、
なんどかある。曖昧。
なぜなら、祖母の家は、当時水商売と呼ばれ、
卑下される職業 「Bar」 であった。
祖母の家は常に女性が泊まり込みで働いていた。
春は売らない。
軍歌と芸者ワルツ、黒い花びらとモナリザ。
自衛隊とヤクザの喧嘩。
その仲裁に入る鉄火場の祖母。
そこに来る客未婚の男に気に入られて
わざわざ電車の乗って泊まりにいくことがあったのだ。
そのときの恐いような寂しいような恥ずかしいような
この記憶は消せない。彼らはホモだったのか?
単に子供が欲しかったのか?
肉体は犯されたことはないが心はなんども犯された。

つまり、私はひとより劣っている環境に
生まれついてしまった。
存在そのものが私は恥ずかしい。
しかも切り傷に塩を擦り込むように輪をかけるように、
外部から持ち込まれた記憶。
これがまた厄介だ。
いくつの時だったか、
母親といる男の写真を見せられたことがある。
しばらく、その男が父親だと思っていた。
が、後で知ったのだが、
その男とは女の子を産んで別れていた。
ハンサムな男だったと思う。曖昧。
もしかしたら、
私を置いて東京に出る原因だったのかもしれない。
なぜ、父親と別れたのか?
全部祖母の所為だと聞かされたような気もするが…曖昧。
そういえば私の父親は交通事故で40代の後半で亡くなった。と聞かされた。が、これも曖昧。
また、父親は税務署員で祖母に気に入られた為に、
私の母親と結婚することになったとも聞いた。
母は岡山県だか岡山市だかの美人コンテストで優勝したとか入賞したとか、どうも美人だったらしい。
しかも、当時はそうしたことが日常茶飯事だっとか、祖母も元気が出るといって、ヒロポンを注射していたような微かな記憶がある。なんたってヒロポンは普通に薬局に売っていたのだ。今でいう、ユンケルだ。
で、見たこともない父親は収賄容疑で逮捕されたか首になったか、
よくわからない暗い話を聞かされた。外部から植え付けられた記憶が残っている。
なんでも出身地は神戸らしいが、満州からの引き上げでもあるとか、
こうして外部から植え付けられた信憑性の薄い記憶ほど迷惑なものはない。
自己記憶なら自己都合でどうにでも変えられるが、
外部から植え付けられた記憶はどうにも処理に困る。
自慢できない父親だったという記憶だ。
これもトラウマのひとつだろうか?

話は変わるが繋がっている。
聖書によると、女性を犯したい。と想像するだけで、
もうその瞬間、すでに罪を犯している。ことになるそうだ。
であれば、
本意ではなく相手を妊娠させてしまい、その責任で結婚を迫られた場合、できるだけ早い段階で妊娠中絶が起こってくれないか?
事故で階段から転んで、本人に怪我はなかったが、
妊娠中絶が起こった。
そんな風な思いに追い込まれた男も少なからずいるのではないか?
つまり、それを男は想像したと記憶し、
女は男がそれを実行したと記憶する。
事故都合で記憶を変えてしまう。
大変分かりやすい事例ではないかと思う。

ところが話は急転直下、フランスに住む友人曰く、
フランスでは、妊娠は女の責任。そう望まないなら、
ピルを飲め。と、男の親が詫びる日本と男の親が抗議するフランス。モラルを博愛で語ることも平和を唱えることも共に一筋縄ではいかないのだ。国際的という言葉は時に人の思考を停止させる。気をつけたいものだ。
話はトラウマだった。
存在そのものが恥ずかしい私のトラウマ探しの旅は、
つづく。
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投稿者 moichi : 2010年04月18日 08:01
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