2009年05月12日
邂逅するdic

次号128号のdictionaryの表紙撮影快調!
その昔、dictionary 75号で、一言頂いた、永瀬正敏さんとは、
テレビドラマ、『私立探偵 濱マイク』に
ほんの一瞬参加させて頂いた以来の邂逅。

次号の表紙写真をお願いした若木信吾くんとは
なんと彼記憶16年ぶりだった。
東京に上京して間もない頃、元寺山修司宅現在ckでお会いしていた。
その後の若木信吾の活躍はいわずもがなだが、
久々の邂逅で彼の次回ドキュメント作品(台湾が舞台)のテーマに見る前から
心を打たれた。で、
次回のclub dic#03で予告編を紹介することになった。
詳細は後日
ご活躍のお二人なら当然お互い面識もあり、
リスペクし合う柔らかいエネルギーがとても心地よかった。
撮影は憧れの民芸館、柳宗悦氏のご自宅だった西館の中庭で行った。

丁度その日は棟方志功氏の展覧会中で、
西館の和室の居間の床の間に飾られた掛け軸には
大変ダイナミックに「平常」と書かれていた。
その大上段にかまえた掛け軸の鎮座する和室で、
美しい女と男の、あまり平常ではない会話を映像化できたら…
を想像し頬を染め緩んだ。
それにしても書がこれほど自由なものだったとは…
もちろんその自由さを会得するには
相当の修練と鍛錬が必要であることは論をまたないが、
呼吸を操る技にどうもその秘訣があるのでは?
そんな直感を抱いたが…。
アクションスポーツにも通ずるというか、バカボンドもいい。
一見絵画のようにもみえる書だが、
高い絶壁から海へ飛び込むような
気合い一発、覚悟の寸止めを感じた。
書は途方もなく自由にみえるが、誠に怖い。

で、撮影はあっけなく終わり、
予約しておいた食事までの曖昧な時間を私は企画会議に充て仕事し、
再び三人は、ル・キャバレー (Le cabaret)で会食した。
酒は飲めなくてもどこまでつき合えるという永瀬さんの台詞に
九州男児は宮崎出身の男気を感じた。
で、まるで初夏のような空気の中での撮影だったが、
そのほてった身体の余韻が未だに残るぬるい夜に、
永瀬さんは黒いトレンチ姿で現れた。
しかも、飲めない男は、オレンジジュースでフレンチ、トレンチでフレンチ、
俳優という生き方がこれほどしっくりくる男優も少ないのではないか、
男は強くなければ優しくなれない。
どこかで聞いた台詞が思わず頭に浮かんだが、
その夜が二度目だったのその店で、
ショートのシルバーヘアーが似合う女主人のレコメンドする
切れのいいロゼ・ワインで払拭した。
所謂私はのんべいの部類ではないが、
食中に頂くオーガニックな白ワインには目がない。
それにしても、いつのまにか東京のビストロも豊かになった。
にもかかわらずそこで宴会してしまう鈍な感性のファッション?クリエーター?
さんたちには、そんなおしゃれなビストロで食べるフレンチもワインも結局魚民の煮込みと焼酎に化けてしまう。
狸と狐の化かし合いに囲まれるのは消化に悪いのだ。
間
それはそれ、
若木信吾の作品をリスペクトしている永瀬正敏の姿勢がとても清潔で
若木君は後のメイルで曰く、
永瀬さんの左目に狂気を見てうれしくなったと。
リスペクトする同士の会話を聞くのはとても清々しい。
これぞ理想のディナー・テーブルだと再び頬が緩んだ。
そうそう、あのeatripの監督、野村友里が友人の若木信吾に会いに
食後のコーヒータイムに現れた。するとトレンチの顔色に微笑みが現れた。
いい夜だった。

投稿者 moichi : 2009年05月12日 08:25
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://202.218.113.107/~kuwaharamoichi/blog/mt-tb.cgi/806
