2008年05月25日
狂っている。

コメントを求められて
ウイリアム・フリードキン監督の最新作品
「BUG」 を自宅で見ることになった。
そうか、やっぱり…
”狂ってる”
狂っている私を確認した。
が
私たちの住む社会には
静かに狂っているひとが
あまりにも多いことに
ずっと気づいていた。
昨夜の症例、
イタリアン・レストランで、私たちの隣に座った家族も
狂っていた。
三歳になる子供誕生日を祝う為に
このレストランに来ているといっていたが…
子供のことは、ほとんど、ほとんど、まったく、無視。
しかも、子犬も連れて来ていたが、これも同等に無視。
吠える。子犬。
騒ぐ。三歳の子供。
風に乗って聞こえて来てしまう
聞きたくないその夫婦の会話の内容は、
いかに自分が特別な人間かを、
夫に自慢する。妻に自慢する。
相手を、非難する。諭す。嫌み。褒める。
これの、繰り返し繰り返し繰り返し…
時折、お互いの携帯でも
同じ口調で話している。
しかも
喫煙場所が定められているにもかかわらず
吸う吸う煙草 辺りを気遣う様子はゼロ。
鹿も、馬も、仕舞には、そんなに若くないその夫婦は
一目もはばからず、堂々と接吻まで始めた。
今まで、仕事の発注相手の男に
さんざん注文を付けていた女社長が
いきなり、その男と接吻をする。そんな感じだ。
とうぜん、犬は吠える。
子供はどこかへ消えてしまう。
目の前の道路を車はひっきりなしに走ってもいる。
見かねたレスランのスタッフが
子供をだっこして
二人の前に現れた。
その時の、気取ったその女のセリフがすこぶるいい。
つまり、その騒ぎ立ててる、その子供の
お母さん、のセリフという意味です。
”いいわね○○ちゃん、抱っこしてもらってるの〜”
お店のスタッフのセリフ
”お子さん、可愛いですね。”
お母さんのセリフ
”可愛いでしょう。欲しかったらあげるわよ。”
お店のスタッフのセリフ
”さすがに、それは…”
再び気取った女のセリフ、
”○○ちゃん、こんどは私のところへおいで〜”
嫌がって、嫌がって、
抱っこしてくれたスタッフに、しがみつき、
その男性スタッフから離れようとしない三歳の子供。
吠える犬。
煙草を吹かしながら
投げやりな仕草で
三歳の子供を諭す男
さっきまで、その女と接吻していた男のことです。
つまり、はっきりしていることは、
その鈍感女に抱かれるのを嫌がる
三歳の子供のお父さんという意味です。
狂っている。
子供の心を傷つけていることに
鈍感な夫婦。
レストランで食事する
他の客に
鈍感な男と女。
静かに狂っているひとたちは
こうして、
みじかな私たちの周りに出没するのです。
私の見た映画 「BUG」 は、
そんな、いつのまにか、おかしくなってしまった
人間の正体を、今日の人間の真実を
教えているのかもしれない。
アドレナリンが吹き出す興奮を売る商売。
という意味では、
確かに、この映画の表現には多少の誇張を感じるが…
よく考えれば、
ひとは、狂ってなければ
恋も、
セックスも(客観的にみればかなりおかしい)、
金儲けも(善悪の欠片もない)、
あれもそれも、なんにも出来ないことを
この映画は表しているかもしれない。
つまり、間違いなく、みんな狂ってるんです。
だって、ミャンマーで250万人以上が被災し、
恐ろしいほどの死亡者がいるにもかかわらず、
死んだひとの数さえ報道しない軍事国家が存続し、
そして、四川で4550万人以上が被災し、
8万人超が死亡していると伝えられている。
その同じ地球に私は暮らしているのですよ。
10歳の少年が家族のすべてを一瞬にして失った。
泣きながら自分の家族探す姿を…
毎朝の新聞から想像しなければならない
私のルーティングな日々。
人間は狂ってるんです。
ごまかしても駄目なんです。
ウイリアム・フリードキンは
そのことを死ぬ前に伝えたかったんだと思う。
そして自分が狂っていることも
こうして映画を作ることで自ら告白したのだと思う。
…こんな現実を前に、
なぜ、私は、正常でいられるのでしょうか。
借金で首が回らない男が、私のことですが、
被災した人々を救う為に
また、借金をすることは
正義なのでしょうか?
人間性のあらわれなのでしょうか?
だから、
私も狂っているんだと思うのです。
ps.
いつの新聞だったか、
ブッシュ大統領とアラブの富豪が手を取り合って
歩いている写真が掲載されていた。
正義の美旗さえあれば、もう戦争が大好き。
そんなアメリカ人のマッチョな男のイメージだった
はずの
ブッシュ大統領が、
たっぷりと髭を蓄えた
超、でっぷりなアラブ装束の男と
手をしっかりつないでいる図。
笑わないふたり。
狂っている。
いま世界は間違いなく狂っている。
笑いなさいよ!

投稿者 moichi : 2008年05月25日 00:18
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