2008年04月06日
像と綱引き バナナマン傑作選ライブ

像と綱引きをする勇気を示すことで
恋人や妻へ愛する思いを伝える…
そんな心温まるロマンチックコメディを
ライブのとりに配した
バナナマン傑作選ライブをギロッポンの俳優座でみた。
縁あって、彼らと知り合い、もう十年以上にもなる。
逢う度に違う眼鏡のフレームで個性を演出する日村や

時代の匂いをちゃんと取り入れた
ファッションセンスの設楽も

その頃は、といっても、ほんの数年前のことだが、
売れなくても、稼げなくても
自分たちの笑いをつくろうとする
若々しいエネルギーがいつもまぶしかった。
スネークマンショーが好きで
バナナマンと名付けてくれたそうだが、
もちろん私の笑いのセンスとは別物だ。
それでも自分たちとは違う笑いの世界も、
なんとか分かろうとしてくれる
その爽やかな向上心や心意気に、驚き、感謝し、
もの作りを一緒に出来ることがほんとうに楽しかった。
正直いえば、最初のうちは、かれらの笑いの乗りに
腰が引ける場面も多々あった。
が、911の衝撃で再び笑いに向かった私の心情を
バナナマンのふたりは見事に
無邪気に無意味でかわしてくれた。
コラボレートする醍醐味がそこにはあったのだ。
つまり、お互いにものづくりにハングリーだった。
ということだ。
そして、15年。だそうだ。
いまや、テレビで引っ張りダコになり、
売れて、売れて、金も入り、
いまや飛ぶ鳥を落とす勢い
もう絶好調だ。と思う。
たぶん、このまま増々上昇気流に乗って
イケイケどんどんの時期に入っていくのだろう。
その自信とキャリアが今回の舞台にも
しっかり現れていた。
技巧的にもうまくなり、今までに何度かみたコントが
今回は本当に押しの強い笑いに成長していた。
しかも今回は傑作選ということもあり、
一緒につくったコメディ映像
「荒井博和」も幕間ブリッジに紹介してくれた。
さて、笑いは奥が深いから
微妙な振り加減で天国と地獄を簡単に行き来する。
一ミリでもどこかに不安があれば
天国の門は固く閉ざしたままなのだ。
しかし15年というバナナマンのキャリアは
その不安を見事に払拭していた。
継続できたからこそできるふたりの芸は
小劇場の俳優には決して真似のできないものなのだ。
さてさて、テレビは怖いもので…
俳優座に定期公演を組むようになってからといえばいいのか
今回の俳優座の観客もテレビでファンになった方がたぶん多いのだろう、
ま、箸が転んでも笑ってくれる優しい信者たちだった。
もちろん、二人はそんなことで脇を甘くしたりはしないが…
で、今回のライブの素晴らしさを伝えようと
いつものように楽屋へ向かった。
しかし、彼らの人気は楽屋でも思い知らされることになる。
今までなら気楽に挨拶できたバナナマンの楽屋だったが
今回はとんでもない長蛇の列に変わっていた。
まるで楽屋詣でと呼ぶべき長蛇の列に
神妙に並んで待っていた私の脇を、
あのエレキコミックの やつい いちろう が
ひょいっと、すり抜けていった。
つづいて偶然私の隣に大きな紙袋を平気で抱えて座った
いかにも芸能界チックなちゃらい女たちも、
そんな楽屋詣での長蛇の列をパスしていたから
とうぜん深い関係者だろう…
今更ながら思ったのだが、
芸能界はある意味戦場なのかもしれない。
テレビで売れてるやつが、テレビで生き残っているやつが、
強くて偉いのだ。
テレビという王様に侍づく家来たちなのだ。
売れてなんぼ!
もちろん裸の王様だが。
そんな芸能界の戦場とはまったく無縁の私が、
”よかったよ。”
バナナマンに、そんな思いを伝えたくて
久しぶりに逢いたくて
こうして長蛇の列に並んでいる自分を、
そのとき一瞬、私は俯瞰から眺めた。
なんてことだ。
すっかり私はひからびた死体になっていた。
馬鹿か?
無縁じゃない。無縁である訳がないではないか。
この戦場も、どの戦場も、つまるところ
戦場に変わりはないのだ。
世界平和を願い戦う戦士ならば
どんな戦場とも無縁という認識なんか
ハナからあるわけないではないか。
泣くな、馬鹿。戦え!ひからびた精神よ!!
笑え、馬鹿!
馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!
馬鹿になって笑え!
いまここに必要なものは、馬鹿笑いだ。

私の世界とは違う?
投稿者 moichi : 2008年04月06日 20:51
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://202.218.113.107/~kuwaharamoichi/blog/mt-tb.cgi/538
