2007年10月11日
植物と生きるひとは…

アナザームーブメント2007
金沢から始まる現代アートの新しい動き…
★石川県金沢市のまちなか17ヶ所にて
16作家の個展をスタンプラリーでまわる北陸最大のアートイベント。
http://www.factory-zoomer.com/anothermovement/
最新号 dictionary 118号
茂木健一郎 特集でも、
このアートイベントに参加作家たちとのトークショーの模様を紹介している。
http://dictionary.clubking.com/
この金沢のイベントがきっかけで私は今まで以上に現代アートの動きに興味を持った。
で、週末の金沢.
私の目当ては、兼ねてからラジオ番組への選曲が秀逸だった
周囲期待の阿部海太郎のライブとワークショップだった。
ところが、金沢21世紀美術館の秋元館長との打ち合わせなどがあり、
午後二時からのワークショップには参加出来なかったが、
夜8時から始まった海太郎のライブは想像以上に素晴らしいものだった。
その模様はいま編集中なので出来上がり次第
またここで、podcastで…
で今回は、茂木さんの紹介でお会いした、
金沢21世紀美術館 館長の秋元さんと
午前中の秋晴れの金沢の街を歩いた。
”あの秋元館長、街に出る”
秋元さんの人柄を金沢市民にもっと知ってもらおうテレビドキュメント収録に
同行したのだ。

噂で聞く限り かなり保守的な 金沢の街で、
国宝が何人も生存活躍している特殊?な街では
見た目にもあんなにはっきり斬新な美術館を運営することの もどかしさは…
よ〜く考えれば言葉を失う。
しかもようやく開館三周年を迎える新しい美術館に就任して僅か半年の秋元さんにとっては、なおさらのことだろう。

ところで日本人には、というか、この沈みそうな日本国では、元々アートへの欲求が弛緩しているわけだから当然とも言えるが、世界の現代美術の世界では、瀬戸内海に浮かぶ直島の地中海美術館は、いまや現代アートの聖地と呼ばれているそうだ。
しかしその評価を得るには15年の歳月という筆舌に尽くしがたい秋元さんたちの努力があったと聞く…。また、別のところで聞いた話しだが、アートの世界にはある種の独裁者的パワーと選民意識が必要だとも…
門外漢の私がこんな話しをするのも、実は、この直島の成功物語を生み出した超本人であるベネッセの会長福武総一郎さんの講義を聴く機会を得たからだ。
あの業界人が出入りすることで有名な噂の茂木健一郎さんの芸大での講義へ、私はまたしても紛れ込むことができた。そこであっと驚く福武さんの強い意志を伺ったのだ。人生、生きていればいいこともある。そんな私的高揚感動巨編の講義だった。しかも講義後の上野公園勝手に占拠打ち上げ会場での芸大生に向けての福武さんのアジ演説(遺言ともいっていた)はもう歴史的事件で、私はその映像を公開したい誘惑に日々駆られている。見せる、見せない、見せる、見せない…

翻って、金沢21世紀美術館は、
『まちに開かれた公園のような美術館』
金沢21世紀美術館は、金沢市の中心部に位置し、だれもがいつでも立ち寄ることができ、様々な出会いや体験が可能となる公園のような美術館を目指しています。このため建物には表と裏のないガラスのアートサークルが採用され、トップライトや光庭など明るさや開放感にも十分に配慮しています。また、夜間開館や魅力的なショップ、レストランなど利用者ニーズに対応し、気軽さ、楽しさ、使いやすさがキーワードのこれまでにない美術館です。

万人が納得する美術館とは?どこからも、突っ込みや横やりのない、市民に開かれた、当然選挙にも有利なイメージが生まれる美術館とは?
だから、
秋元は言う、美術は街へ出よう!
二度目の金沢で私の印象に拘束はないが、
金沢の街には美術の心が潜んでいる…
そんな気配を感じた。つまり、金沢にほれた。

で、私的指摘その一、この街には、「ひろみ」と呼ばれる、
曖昧な広さの空間が突然狭い路地裏から出現する。
境界線を一ミリでも越えれば訴えられそうな世知辛い東京で暮らす私には
この曖昧な空間はミステリーゾーン異次元だった。

考えてみれば、いざという時のための広場だということは分かる
そこで、祭りがあり、集会があり、ひとひとが集い助け合うための空間が
ちゃんと地域社会の中に用意されている
この曖昧な無駄とも言える空間こそが日常に潤いを与えているのだと
そう芸術を受け入れる心が生まれる町には
そんな曖昧さがきっと必要なのだろう
ハッとした瞬間が生まれる町は素敵だ。
非日常空間が潜んでいる町は素敵だ。

保守的。 東京からの交通の便が以外と不自由。 冬は三ヶ月町が動かない。
この一見負のイメージが実は金沢の町の心を守っているのだ。
「ひろみ」はそのことを教えてくれる。

写真はいずれも金沢の植物店「こすもす」を写した。植物と生きるひとは美しい。
投稿者 kuwaharamoichi : 2007年10月11日 08:35
