ニューヨークで感じたafter311 Yuri Shimojo Special interview

311震災以降 
癒しのために描いた"祈りの絵"

- 311以降“Voices from 2011”の他に、どのような作品を描かれましたか?

『桜』(Nirvana)という作品を描きました。去年の春、被災地にも桜が咲き始めたというニュースを聞き、清らかに涙がでました。桜という、日本人の美意識、Lifeの象徴を描くというのはクリシェかな、ともはじめは思ったんですが、溢れる想いと祈る気持ちで、お坊さんがお数珠を一珠一珠数えて瞑想するように、ただただ桜のはなびらをおおきく、まるく描くことは、わたしを救ってくれました。
わたしは自分のために絵を描く時、イラストレーションとちがうのは、最後までなにが描かれてゆくのかわからないのです。なにかに導かれるままに描きます。この桜も、描いてゆくうちに、一枚一枚はなびらがよく見るとそれぞれ個性的でちがうように、ひとりひとりの命に見えてきました。それも、愛する人を残してあちらへ旅立った女の人たち。結果、それは『桜』(Nirvana)、『藻』(Styx)、『蔦』(Passage)という大きな水彩画の三部作として、生と死、日本人のそれに対する諸行無常という強く美しい精神性、そして個人的なあるできごとに対する自分の想いのレクイエムという絵になりました。それって、たぶんわたしが永遠に描きたいテーマなんだろうと思います。

- 『桜』に対する想いをお聞かせください。

“Voices from 2011”のように、ストレイトに伝えることが目的なイラストレーションとちがい、『桜』のような絵は言葉にする必要のない人間の想いです。観る側がどう感じるかも自由です。でも、そこにさえなんらかの共感がある時、芸術は人のこころに響かせる魔法がある、絵を描いていてよかった、としみじみ思えるのです。

-最後にメッセージをお願いいたします。

「自分になにができるか」じゃなくて「自分がしたいこと」でお手伝いすればいいんだと思います。


<プロフィール>

下條ユリ Yuri Shimojo
丙午の春、東京都三鷹市生まれ。自由な生き方そのものを絵と文で表現し続けている。
武士の家系の伝統を重んじつつも型破りな両親は、彼女に幼い頃より日舞、能、茶道、華道を習わせると同時に、“社会教育”と称し国内外のあらゆる遊芸三昧の場に付き添わせ、普遍性を尊重する国際人として育てる事に熱心だった。究極の和洋折衷というカラフルな生い立ちの記憶が、下條の創造性の原点であると言えるだろう。
現在は、ブルックリンのスタジオとハワイの秘境にある隠れ家、という両極端なジャングルの行き来を自己のイン&ヤンのバランスとして楽しんでいる。下條ユリはまた、世界の土着シャーマニズム研究者として動物や自然界の生物との対話、交流を修練し、エネルギー・ヒーリングの資格者でもある。B型魚座。水に浮くのが好き。
主な著書に、波瀾に富んだ家族との生い立ち・別れを綴った追想記『ちいさならくがき』(たまうさぎbooks)がある。
www.yurishimojo.com

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Page2:311をニューヨークから見つめて

Page3:"Voices from 2011"と『日本と地球の子供たちへ』

Page4:鶴プロジェクトについて

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