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[あなたにとって、今年はどんな年でしたか?] 僕が今年、自分で見つけて、いちばん自分に近しいコンセプトになったのは、“ホープフルモンスター”っていう概念。ホープフルモンスターっていうのは、進化の過程ででてきた奇妙なかたちをした生き物で、今は怪物で変なものなんだけど、そのうちメインストリームになれるかもしれないっていう希望を抱いている怪物。前から科学的な概念としては知っていたんだけど、自分自身がホープフルモンスターだって気付いたんですよ。例えば僕が科学者でありながら本を書いて、そこまではいいんだけど、テレビで司会やったりだとかわけわかんない。明かに変異なんですよ。今までは立派な学者というのはこういう姿をしていて、そこから外れるとダメだっていう概念があったんだけど、今や自分はそこから外れてホープフルモンスターになっちゃって。ホープフルモンスターっていう概念のいいところは、自分がメインストリームだとか偉いだとか思ってないところ。自分はあくまでも怪物、だけど希望を持っている怪物だっていうその間合いがすごくよくて。僕ずっと、シンポジウムだとかで暇なときに自分がパネリストであるにも関わらず、イラストを書いてしまう癖があって、あるとき描いた“フラワーピッグ”っていうイラストがあるんだけど。花をくわえた平和主義者のブタくんなんだけどね、それは自画像なんですよ。そうかフラワーピッグってホープフルモンスターの一種なんだなって最近わかった。バラバラだった要素が自分の中でかたちになったんですね。自己認識としても、これからの活動方針としてもいいコンセプトワークができた。いい話ですよね、“ホープフルモンスター”。
[今年、あなたに深い影響をあたえたものを教えてください] 今年いちばんのヒットは太田光が考えた「憲法九条を世界遺産に」っていうキャッチコピーですよね。あれは上手いなと思いましたけどね。今年は政治が“とんでも化”した年だったなっていうのが私の感想。
[PROFILE] 1962年東京都生まれ。脳科学者。ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー。「クオリア」「アハ!体験」など、つねに刺激的なキーワードを用いて科学や文学など、ジャンルを超越したさまざまな分野で活躍中。主な著書に『脳とクオリア』『意識とはなにか』『クオリア降臨』『脳と仮想』など多数。NHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター。 無類のコメディ好きでもある。 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia//
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